コウモリの駆除方法

コウモリが住宅内に侵入し、繁殖をされてしまうと様々な被害が想定されることから、一刻も早く駆除したいと考えることは当然ですが、残念なことにコウモリは鳥獣保護法により保護されている関係性から、捕獲するためには行政機関への申請が必要となり個人で勝手に捕まえることはできないのです。実際に法的手続きを踏んで捕獲が許可降りるまでの手順としては、申請者が申請必要な各種書類を揃える必要があります。

コウモリを捕獲するのに必要な書類

必要書類は、申請書・依頼書・狩猟免状・従事者名簿・使用する道具の写真や図面・捕獲する場所の地図などが挙げられます。それらの申請書類を整えた後、各自治体の鳥獣保護法に関する管轄を担っている部署へと必要書類を持っていき、捕獲申請の届け出を行います。捕獲の許可が下りるまでに平均して1週間前後かかる場合が多いです。ここでの申請により許可が降りて、初めてコウモリ捕獲作業を行うことができるのです。なお、捕獲作業が完了したら許可証、従事者証を自治体に返却する必要がありますのでご注意ください。

具体的なコウモリ駆除対策方法について

コウモリの駆除と言っても簡単に行うことは難しいでしょう。駆除するためには、コウモリがどんな行動をするのか・ほんとうに効果のある道具は何か・どこから侵入していて、どのように侵入を防げば再発しないのかなど、知識や経験に裏付けられた技術が必要となることを念頭において頂きたいと思います。中途半端な知識で対応してしまうと、前述したような鳥獣保護法に違反してしまう可能性や、再発してまたコウモリに住みつかれることとなるなど、状況が悪化することも十分考えられます。

コウモリ駆除を行う最適な時期がある

コウモリ駆除を行うにあたっては、最適な時期と言うものがあります。4月〜6月の春先及び9月〜10月の秋口となっています。これは、コウモリの子どもが生まれるのタイミングが初夏となっていることから、その前の春に駆除すべきとの見解です。「親コウモリを駆除したけど、家のなかや巣には子どもコウモリが残っている」「まだ飛べない小さな子どもコウモリを傷つけてしまった」など、そういった事象を避けるためにこの時期であることが重要なのです。例えば親コウモリがエサを探しに外に出ます。
その後で出入り口である侵入口をふさいでしまうと、親は巣に戻れず子コウモリは餓死します。害獣としてのコウモリが死ぬのは良いですが、子コウモリの死骸を放っておくと、カビや悪臭の原因となり環境は悪化します。逆に、11月〜3月においてはコウモリが冬眠します。冬はエサの昆虫が少なくなるので、体力温存のために冬眠するのです。この時期に追い出すのは難しく、駆除には向いていないといえるでしょう。このような背景があることから、コウモリの駆除には時期がとても大切です。

コウモリは保護動物

コウモリは保護動物であるため万が一、殺したり傷つけてしまうと違法となってしまうことから、棲みついている場所から追い出したり、侵入口を見つけて入って来ないようにふさぐと言った対策を講じることが有効です。対策をする場所は、コウモリの糞や寄生しているダニやノミなどで、不衛生になっていることが想定されますので、マスクや手袋、ゴーグルや帽子、汚れてもいい服装など自身の防護を怠らないようにする必要があります。

コウモリ追い出す方法

・忌避剤で追い出し

住み着いている場所から追い出すためには、屋根裏などに棲みついているコウモリをコウモリ忌避剤で追い出します。忌避剤ではスプレータイプが一般的で、ホームセンターなどで手に入ります。スプレータイプは、コウモリが苦手とする天然のハッカ油を使用しています。非常に強いニオイなので、家具や服へのニオイ移りや、一度に大量に使用する場合は注意してください。戸袋・外壁・シャッターの隙間・通気口・換気口などの狭い空間に適しています。

・燻煙で追出し
次に燻煙タイプは、煙状の薬剤で追い払う道具です。コウモリが棲みついている空間の広さに応じて、適切な量を使用しないと効果が出ません。スプレータイプの忌避剤と同じハッカ油が含まれる、ネズミ用燻煙剤がオススメです。屋根裏・天井裏など広い空間に適しています。忌避剤、燻煙剤のどちらにも通じることですが、使用前に使用方法をよく熟読して製品ごとに定められた用法・用量を守って使用するようにしてください。基本的には広い空間はくん煙剤、せまい空間の場合は忌避スプレーが使いやすいです。
なお、巷では忌避剤の他の駆除グッズが有効であると言う話もあります。具体的には超音波や磁石なども使える、という説ですが科学的な根拠はありません

コウモリの侵入を防ぐ

コウモリは一度追い出しても戻ってきてしまうことが多いため、「追い出した後に侵入口をふさぐ」ことがとても重要となっています。侵入口をしっかり塞がなければ、再発する可能性が高いからです。侵入口をふさぐ場合は、ホームセンターなどで手に入る金網やシーリング材などが効果的であると言えるでしょう。コウモリは1cmから2㎝ほどのわずかな隙間でも入り込んでしまうため、金網はなるべく目の細かいものを選ぶ必要があります。
通風口や戸袋のように、完全にふさぐと生活に支障がでる箇所は、特に金網が最適と言えるでしょう。金網を設置する場合は、ずれて隙間ができないようにネジや接着剤などでしっかりと固定するようにしましょう。また、天井裏や屋根裏に通じる隙間・外壁やシャッターの隙間などを埋める場合は、隙間の大きさや形状に合わせて使える、ペースト状で隙間などを埋める材料であるシーリング材が適しています。シーリング材がはがれないように、事前にホコリや汚れを取り除いておくのがポイントです。
コウモリはわずかな隙間があれば確実に侵入してきます。侵入口となりうる隙間は徹底的に探し、全て完璧にふさがなければ意味がないと言えるでしょう。その後、ふさいだ侵入口周辺にさらに忌避剤を設置したり、防鳥ネットを取り付けるとより、コウモリがより近づかなくなるため効果的であると言えます。この時に設置する忌避剤は、スプレータイプよりも効果が持続しやすい、錠剤タイプやジェルタイプが良いでしょう。パンチングメタルという、小さな穴の空いた金属板というものもありますので、これらの材料も使用しながら侵入口を封鎖するのも良いでしょう。
また、コウモリを追い出すことができたとしても、安心することはできません。コウモリが住処としていた場所には大量の糞などが発生しています。それらの掃除と除菌を行う必要があるのです。コウモリの糞には、病原菌がついている可能性が十分あります。また、糞をそのままにしておくと、ダニやノミなどの害虫が発生するでしょう。
これらを放置していると、健康被害に繋がりかねない事態となってしまいます。糞を掃除する時は、身体が糞や菌に触れないよう、防護措置を講じる必要があります。除菌は基本的にアルコールを使用してください。また、アルコールではなく次亜塩素酸はアルコールよりもさらに高い殺菌効果がありますので効果が期待できるでしょう。

専門的な知識や経験を有している専門業者

このように、コウモリ駆除等の方法は様々な手法が存在します。個人で一時的に対応することも可能ですが、抜本的に解決を望んのであれば専門的な知識や経験を有している専門業者にお願いすることが手っ取り早いこともあると思います。専門業者へとお願いする時には、もちろん費用も必要となって来ます。
また、糞の除去や殺菌消毒・侵入個所の閉鎖などを行うにあたっての技術料もさることながら、対策を講じる場所によっては足場なども必要となる可能性があることから、まずは見積もりを取ってから検討されるのが良いでしょう。なお、複数社から見積もりを取得することにより、提出された見積もりが適正であるかどうかのチェックも行えることから相見積を取ることをおすすめします。
被害が生じているケースが様々であることから、ケースバイケースにより対応方法を検討する必要があると言えるでしょう。個人で対応できる範囲については市販品などを用いて対処し、本格的な駆除を考えるのであれば専門業者へと相談されることをおすすめします。 コウモリ被害に遭われておられる方々に対して、少しでもこの記事が役に立てていれば幸甚です。

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