コウモリの特徴・生態

コウモリは、脊椎動物亜門哺乳綱コウモリ目に属する動物の総称となっています。別名に天鼠、飛鼠とも呼ばれることがあります。コウモリ目は翼手目とも呼称され、約980種程が報告されていますが、その種数は実に哺乳類全体の4分の1近くを占めています。ネズミ目(齧歯類)に次いで大きなグループとして存在を示しています。

コウモリの特徴

極地やツンドラ、高山、一部の大洋上の島々を除く世界中の地域に生息しているため、ほとんどの地域において生息していると言っても過言ではないでしょう。 コウモリは、止まっている姿も目にすることがありますが飛んでいる姿も良く目にするのではないでしょうか。鳥のように空を飛ぶことができますが、鳥のように卵生ではなく哺乳類のように子供を産んで育てているのです。
その鳥とも獣とも見まごうような外見から、一昔前では「空飛ぶネズミ」などとも呼ばれることもありました。このように、コウモリは翼を使って空を飛ぶことが可能となっています。しかし、鳥と決定的に違う部分は翼に羽が生えていないことが最大の特徴となっています。
コウモリが空を飛ぶ原理を説明すると、コウモリには薄い体毛は生えていますが、コウモリが空を飛ぶために使っているのは「飛膜」と呼ばれる薄い膜のような翼を使用しているのです。モモンガやムササビにも飛膜は存在しますが、コウモリは飛膜を滑空に限定して使用するのではなく、それを使って空を自由に飛ぶことができることが大きな特徴となっています。

コウモリの飛膜

コウモリの飛膜には細く伸びた指がついています。親指のみかぎ爪のようになっていますが、人差し指から小指まではすべて皮膜と繋がっています。言葉では分かりにくいかもしれませんが、イメージとしてはカエルの水かきが近いと言えるでしょう。この特徴的な体の構造によって、水を掻くように空気を捉え自由に空を飛べる原理となっているのです。なお、飛膜の先にある唯一かぎ爪になっている親指は、体を支える時に使用しています。

コウモリ糞尿を輩出する時は

コウモリが止まっているときの姿を思い描いて頂くと、後ろ脚で天井にぶら下がっている光景がイメージできると思います。コウモリも、生命を維持するために食料をエネルギー源として接種しますので、必然的に不要なものは排泄物として体外へと排出されます。後ろ足で天井にぶら下がっている状態で排泄すると、当然自分の体に糞尿が付着してしまいます。
そういった状況があることから、排泄時には親指で体を支えて自分に糞尿などがかからない状態を維持するようにぶら下がって排泄するのです。また、コウモリの後ろ脚は弱く立ち上がったりはできませんが、親指のかぎ爪と後ろ足で移動することも可能です。このように、足を使った動きなどは非常に精巧であると言えるでしょう。

コウモリの生態

前述したように、コウモリは全世界規模で確認されていることから、日本にも当然のごとく生息しています。それでは、コウモリは一体どのような生態なのかを具体的にご説明したと思います。学校や会社から家路につくときになど、夕暮れの空をひらひらと飛ぶコウモリを目撃される方も多いのではないでしょうか。コウモリは誰もが見たことがあるほど身近な動物として知られています。哺乳類に限定してみると、自力で飛べるのはコウモリだけとなっています。また、最近の研究では最先端のテクノロジーにも負けない能力をコウモリ自身が持っていることも判明しています。
その一端としてご紹介できる事象としては、コウモリとは街中で見かけるのも夕暮れ時となっていることから、真っ暗闇でも障害物にぶつかることなく飛んでエサを捕まえることができます。実は、ほとんどのコウモリは目が見えないことから、飛行するときは目で物事を確認しているわけではないのです。このように、コウモリとは非常に興味深い生態であると言えるでしょう。 目も見えていないのに、どのようにして自由に空を飛んでいるのでしょうか。コウモリの多くは、天敵や餌を獲りあうライバルの少ない夜に活動しています。

エコロケーション(反響定位)

どうして障害物にぶつかることなく空を飛び、自分の餌となるものまで捕獲することができるのでしょうか。その原理は、コウモリの持つとても正確なレーダーにあるのです。ほとんどのコウモリは 「反響定位」というものを行うことで、自分と障害物の位置と距離を把握しています。反響定位とは、自分の出した音が何かにぶつかって返ってきたとき、その方向とタイムラグで自分の位置を知ることです。
物体などに自分の音が当たって、反射して帰って来る音で自分の位置を確認しているということになります。イメージしやすいのは、山などで発生する山彦ではないでしょうか。山の上から「やっほー!」と叫んだ場合、何秒か遅れて「やっほー」と声が反響して帰って来ます。人間では、この山彦の音やタイムラグから正確な情報を読み取ったり感じ取ったりすることができません。
しかし、コウモリは生まれたときから備わっている機能で自分のいる場所から音を跳ね返した物までの距離や方向を正確にとらえることができるのです。飛行機のレーダーや、漁師の方が使う魚群探知機、船に搭載されているソナーもこの反響定位を使用している機械となっています。コウモリは口や鼻から超音波を出し、跳ね返ってきた音を耳で聞くことでこのような反響定位を行なっているのです。
コウモリの反響定位は戦闘機のレーダーにも負けないほど精度の高いものであり、その能力は餌を獲るときにも発揮されます。コウモリは餌を獲るとき、今追いかけている獲物だけでなく、次の獲物の位置も先読みして飛行ルートを決定しているのです。これは正確な反響定位を自由自在に使いこなすことのできる、コウモリだけができる能力と言っても過言ではないでしょう。
また、日本にはいませんが水面のわずかな振動を感知して水中の魚を捕える「ウオクイコウモリ」というコウモリも存在します。このように、コウモリは反響定位を駆使することにより暗闇においては人間以上に正確に物事を捉えていると言えるでしょう。

オオコウモリとココウモリ

日本には37種類のコウモリが生息していると言われています。コウモリは世界中さまざまな環境に適応して進化を遂げ、その種類は980種類以上と言われているのです。コウモリは大きく分類すると、オオコウモリ及びココウモリの二つに分けることができます。オオコウモリとは翼を広げた大きさが2mにもなることから、非常に大きなコウモリとして分類されます。
日本では動物園以外の自然で観測できる場所と言えば、小笠原諸島や南西諸島くらいにしか生息していないことが確認されています。先ほど紹介した反響定位を行わず、視覚で野菜や果物などを食べます。一方、ココウモリはその名の通り小型のコウモリで、反響定位を行うものがほとんどです。多くは虫を食べますが、肉食のものや花の蜜を吸うもの、吸血するものもいます。
なお、吸血コウモリは日本には生息していないことが確認されています。私たちが住んでいる日本において一番身近となっているのは、ココウモリに分類される「アブラコウモリ」、別名「イエコウモリ」という種類です。アブラコウモリはイエコウモリという別名の通り、人間の家をすみかとするコウモリです。日本で人間の家に住むコウモリはこのアブラコウモリだけ。私たちにとっていちばん身近なコウモリと言えます。

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